百年映画館

藤井克郎さん執筆の「百年映画館」を読む。

日本には百年以上前に建てられた映画館が全国に20か所くらいあるそうだ。その中から10館を取材に訪れこの本を執筆したそうだ。元々芝居小屋からスタートした劇場がほとんどで、戦後60年代まで映画は繁栄したが、その後衰退し今では都会でも名画座の閉鎖が続く。こんな中で事業採算性としての100年映画館はより厳しく、残っている劇場は自治体の歴史的存続への思いや、ボランティアに支えられている。

掲載されている映画館は、「上田映劇」「高崎電気館」「髙田世館」「ロイヤル劇場」「本宮映画劇場」「豊岡劇場」「大黒座」「長野相生座・ロキシー」「森文旭館」「萬代館」

映画館での鑑賞好きな私としても全部回ってみたいがそれはなかなかです。唯一「上田映劇」だけ旅の途中で訪れた。

藤井克郎は、映画のついでにその土地の居酒屋で地酒を嗜むのも楽しみにしているそうで、その点も私の好みと合致する。

「異常に非ず」と「破滅」

 

先日桜木柴乃さんの最新作「異常に非ず」を読んだが、この作品の母体となったのが昭和54年に実際に起こった「三菱銀行北畠支店」での凶悪強盗殺人事件であった。

小説自身は、こんな凶悪犯が生れた背景などを家族関係・人間関係を毎日新聞の記者たちが追った内容で非常に読み応えのあるものでした。

その元となる、実際に毎日新聞の記者たちが新聞連載をまとめたルポルタージュ作品「破滅 梅川昭美の三十年」を読んだ。

小説の中では梅川昭美を花川清史、母親静子をカヨと変えているが小説では花川にとり重要な女性となるA子を時任亜紀としてスポットを当てて描いている。

初めて知った熟語 その5

久しぶりに朝日新聞2026年1月10日の赤beより。

数字がつくのが多い

八万四千:仏教用語らしい、一切のとか無数のとか

四万六千日:浅草浅草寺ほうずき市、7月10日を126年分の功徳の日と。

千度八千度:(ちたびやちたび)きわめて回数の多いこと

三千世界:仏教用語で宇宙の世界感

千山万水:(せんざんばんすい)深山幽谷

正直不動産

朝の散歩中に上のような不動産屋さんの看板をみつけた。NHKで2022年に放送されたドラマ「正直不動産」と同じ。商標登録はなされていないのか?とちょっと調べてみた。

ドラマはビッグコミックで2017年から掲載されている原作ありだった。

しかし世の中には、実際に何軒かの実在の不動産会社が存在していた。

原作より古いのは、船橋市の正直不動産㈱で創業1969年であり、ドラマのおかげで人気スポットになっているそうだ。

私が見た上記は、川崎市の存在する正直不動産㈱だった。この世界は商標登録しないのでしょうか?

もう一軒、豊島区池袋にも㈱正直不動産が存在。こちらは㈱が前についているでの商標を意識しているのかな。

鑓の権三

最近 映画監督の篠田正浩が2010年に泉鏡花文学賞を受賞した「河原者ノススメ 死穢と修羅の記憶」を読んだ。

その中で1986年に松竹で映画化した「鑓の権三」の「鑓」を検索すると、

他に「鎗」「槍」が出てきた。その漢字の違いは何か?

まづ辺の違いで「槍」はやりの持ち手が木製。「鎗」は、鉄製。

では「鑓」と「鎗」の違いは?

映画「鑓の権三」以前にも、無声映画時代から4回も映画化されているようだが、全て

「槍の権三」の表記でした。確かに昔はヤリの持ち手は木製が多いでしょう。鉄だと重すぎる。

しかし「鑓の権三」の原作の近松門左衛門浄瑠璃「鑓の権三帷子」は、「鑓」です。

「鑓」は近世以降「国字」として正式に使われるようです。

国字とは、中国からなどの伝来の漢字ではなく、日本独自で作られた漢字とのこと。

熊の敷石

2020年に芥川賞を受賞した、堀江敏幸さんの「熊の敷石」を読む。

読む前には訳のわからない題名だった。

日本人の主人公(堀江さんの自伝?)がノルマンディー地方の小村に住む友人ヤンを訪ねる。その中でフランス語辞書編纂家のエミール・リトルの話。

リトルは「フランス語辞典」を刊行しようとする出版界の大物ルイ・アシェットから仕事を依頼されるがはかどらない。代わりに「フランス語語源辞典」を編纂する。

この調査の中で見つけた「熊の敷石」なる用語の語源をラ・フォンテーヌの「熊と園芸愛好家」の本の中で知る。園芸愛好家の老人の元に熊が来る。老人の頭に止まる蠅を追い払おうと、熊は傍にあった花崗岩でできた敷石を蠅をめがけて投げる。老人は頭を砕かれ死亡。とのことから「いらぬお節介」との意味。

同じ本の中に掲載されている短編「砂売りが通る」にも語源が。

「砂売りが通った」とは「眠くなること」の意味

初めて知った熟語 その4

2023・7・1朝日新聞赤beより

年百年中(ねんびゃくねんじゅう)・・一年中いつも

百世不魔(じゃくせいふま)・・いつまでも消えることなく存在し続ける

八百八町(はっぴゃくやちょう)・・江戸に町が多いこと。大阪では八百八橋で水路が多いこと。

近所合壁(きんじょがっぺき)・・壁一つを隔てた隣。隣近所。

一所不住(いっしょふじゅう)・・一定の場所の住まないで諸国を回ること

八岐大蛇(やまたのおろち)・・日本神話に出てくる、頭と尾が八つある大蛇。