鑓の権三

最近 映画監督の篠田正浩が2010年に泉鏡花文学賞を受賞した「河原者ノススメ 死穢と修羅の記憶」を読んだ。

その中で1986年に松竹で映画化した「鑓の権三」の「鑓」を検索すると、

他に「鎗」「槍」が出てきた。その漢字の違いは何か?

まづ辺の違いで「槍」はやりの持ち手が木製。「鎗」は、鉄製。

では「鑓」と「鎗」の違いは?

映画「鑓の権三」以前にも、無声映画時代から4回も映画化されているようだが、全て

「槍の権三」の表記でした。確かに昔はヤリの持ち手は木製が多いでしょう。鉄だと重すぎる。

しかし「鑓の権三」の原作の近松門左衛門浄瑠璃「鑓の権三帷子」は、「鑓」です。

「鑓」は近世以降「国字」として正式に使われるようです。

国字とは、中国からなどの伝来の漢字ではなく、日本独自で作られた漢字とのこと。