あなたへ

NHKでのメイキング放送を見て、いいかなと思っていたのですがやはり内容のいい映画でした。
90点くらい。
高倉健さんが人柄そのままの主人公役。まわりの役者も余分な場面がまったくなくいい脚本作品。降旗監督と健さん
「駅」や「鉄道員」での名コンビですがぴったりでした。

富山から平戸までのロードムービー
前半は、平戸までの各所でのいろいろな人物との出会い。これら全てが全編の主題に関係していることが無駄な場面がないこと。
ビートたけし・・流石に健さんの前では真面目に演技。元教師とのことで健さんに「旅」と「放浪」の違いを知っているかの質問?
「旅」は、目的があり帰る場所がある。「放浪」は、帰る場所がない云々。
松尾芭蕉は「旅」、種田山頭火は「放浪」とのこと。たけしは山頭火の歌を詠んでいましたが、中身は覚えていず。
最後に関係します。
・もう一組の出会いは、草薙剛佐藤浩市佐藤浩市がなぜか「暗い」表情を終始持っていたが、これが後で関係(ネタばれになるので)。
竹田城・・旅の途中で竹田城へ寄るシーンがありました。この中の竹田城は、素晴らしい景観で私自身で「マチュピチュのようだ」(行ったことないが)、以前一度行ったあの竹田城(大分)がこんなに素晴らしかったかな、その時は雨が降っていたので見過ごしたかなと疑心暗鬼だったのです。
ただその後の旅のシーンが「下関」となり、脚本的に九州へ折角渡って、また戻り??こんな脚本ありえないと家に帰って早速調べ。
有りました、竹田城兵庫県丹波の裏のあたりの和田山町に。まさに「東洋のマチュピチュ」と呼ばれているそうです。
また行ってみたいところが増えました。

(これから平戸のシーン)
このシーンの登場人物数は少ないのでしたが、皆さん名演技。
特に、先日亡くなられた「大滝秀治」さんの数少ないセリフの深さ。もう聞けません。
濱崎食堂の女主人の「余喜美子」さん、やはり彼女しかできないだろう名演技。
回りを固める、若手の綾瀬はるか三浦貴大。無難にやっていました。
・日本酒;やっぱりアル中かなあ。濱崎食堂で余さんと健さんが一升瓶で酒を注ぐシーン。
超辛口 「大鹿」とあったが長崎の酒は全くしらないのでこれも帰って調べたら、架空の酒でした。
残念。
・散骨シーン
このあたりの健さんのシーンが脚本もしっかりしていると言うことか。
よくTVでは、上空にまき散らすシーンが多いが、健さんは海面すれすれまで手を持っていき大事そうに
一握り一握り流して行くのはたまらない。

―10点の理由。やはり健さんの年齢。手のアップシーンの手のしみは年齢は隠せない。
一応嘱託の技官公務員と言うことで60以上もOKもありなのかとは思うが。


本日の映画関連の暗いNEWS
若松孝二監督・・ピンク映画出身だが当時の映画は見ていなくて、「われに撃つ用意
あり」以降の充実した作品で名監督。
・シルビア・クリステル・・あの籐椅子に持たれた「エマニエル夫人」忘れられない。
合掌