独擅場(どくせんじょう)

小説 邯鄲の島(貫井徳郎)の下巻を読書中。

P368の一行目に「独擅場」と言う言葉が使用されている。るびに「どくせんじょう」とふられている。まだ「擅」の字に気づいていない(「壇」だと思い込んでいる)私は、鬼の首を取ったように喜ぶ。大出版社の新潮社の編集者も気づかなかったのかと。

しかし私の知識の浅さでした。

現在では当たり前に使う「独壇場」(どくだんじょう)より、「独擅場」(どくせんじょう)の方が語源としては古くて正かった。昭和18年ころまではこちらの言葉しか使われていなかったようだ。「擅」と言う字は、「自分が思うままにふるまう」(広辞苑)との意味。いつの時代にか振る舞う→舞台の上→「壇」となり、「独壇場」が主流になってしまったようだ。今ではNHKでも「独壇場」を正当に使っている。

貫井さん、恐れ入りました。