オリンピックの汚れた貴族

前々からオリンピックの商業主義が問題となっていたが、たまたま「オリンピックの汚れた貴族」(アンドリュー・ジェンキンス著、野川春夫訳)を図書館で見つけ借りる。

昨年の東京オリンピック時のIOC会長のトーマス・バッハも胡散臭い人物であったが、この本に登場するサマランチ会長とその周辺に屯する人間たちの行動には驚いた。

私が初めて知った事実だけを、以下に列挙

サマランチは、スペインの内乱時代フランコファシスト政権次にフランコの下僕であった。またヒトラーとの盟友であり、一緒に写る写真も残ってる。(P21)

リレハンメル・オリンピックのマスコット騒動;IOCの委員の息子のデザイナーに依頼。その出来が悪く結局作り直し。東京オリンピック時にもデザイン問題あったよね。(p31)

③64年の東京オリンピックの招致活動時、東京に来たIOCメンバーに一人一人に専任の外語学大生がついた。プロの娼婦も宛がわれた。(p55)

④ブランデージ会長時、「オリンピックでデモが起これば即座に中止する」発言。メキシコオリンピック時、政府はデモ学生300人を射殺。事件は公にならなかった(p57)

堤義明;一千億ドルIOCに寄付。長野オリンピックの誘致のため。軽井沢に新幹線の駅も設け西武へ利益が。(p86)

電通;ISL社(ホルスト・ダスラー所有、オリンピックのマーケッティングを独占)の49%の株式保持。確かに東京オリンピックの各場面で登場していた。(p219)

バルセロナオリンピックから男女の性別判断のためPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応テスト)が採用された。今のコロナで知ったPCR検査(p299)